ずっと使いたくなる、優しい日常食器シリーズ「Rim」

目新しいものではなく、暮らしや自然に優しいうつわを。
食器作りの原点に立ち返った日常食器を作るため、取り組んだ3つのこと。

■「多彩なメニューに対応する」サイズとデザイン

目新しいものではなく、本当に必要なものをつくること。
最初に、日本人の暮らしに必要な最小限の食器の数を把握することからはじめました。
日本の食卓に並ぶ、様々なメニューを書き出し、それぞれがどの形のどの大きさの器で食べることができるのかを時間をかけて分析。その結果、平らなプレート4サイズと少し高さのあるボウル4サイズの合計8種類の器があればほとんどのメニューに対応できることがわかり、これらのアイテムを基礎としました。

次に、和・洋・中だけでなく、様々な国のメニューを日常的に食べる私たち日本人特有の欲求を満たすため、和食器や洋食器という区別がない食器の形を考える必要がありました。

そこで、プレート形という洋食器寄りの形に垂直の縁を付け足し高さを出すことで、汁物の多い和食にも対応。また、和食器の鉢に近い低めのボウル形には洋皿のような縁を付け足すことで洋食器のエレガンスをイメージしました。

この小さな工夫、「縁=Rim(リム)」がそのままシリーズ名になりました。

鉄粉が含まれた磁器土。白磁用のものに比べ、赤っぽい土。

■「環境にやさしい」素材

素材である「土」を得るため、山を削って作られる焼き物。自然環境への負荷を考えたとき、これからの食器づくりのモデルになるような環境に配慮した食器をつくりたいと考えました。

そこで、昨今の白磁ブームであまり使われることのない土を有効活用することに。この磁器土特有の鉄粉を土味として生かし、一つ一つに違う表情を持たせることができました。

またこの土味は、まだ白磁を作る技術が一般的でなかった古い時代の器のように、自己主張しすぎず、優しく温かい表情をしています。

※シリーズのブラック/ホワイトには白磁用の土を使用しているため、鉄粉は含まれておりません。

■釉薬選び

鉄粉の含まれた土の風合いをより引き出すため、釉薬選びには幾度もの試作を重ねました。白磁に比べ磁器土は釉薬をかけたとき、色の出方が予測しにくいのです。

「ずっと長く使っていただきたい。」
そんな想いをこめて、組み合わせが選ばれました。

Designer's Profile

城谷耕生

Kosei Shirotani

1968年長崎県雲仙市生れ。’91年渡伊。ミラノのデザイン事務所勤務を経て、’95年ミラノを拠点にフリーランスデザイナーとして活動を開始。同年ミラノにて、GRANDESIGN最優秀賞受賞。2002年長崎県雲仙市に拠点を移しSTUDIO SHIROTANIを設立。